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ショートショート:投資を始めた僕たち

「ねぇ、ヒロキ、資産運用とかやってみない?」アンナがなんの前触れもなくそう言った。 「資産運用?NISAか?」僕はナポリタンを食べている手を止めて訊いた。 「うん。投資って最近流行ってるじゃん。テレビとかでも投資投資ってさ」 「投資か・・・...
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ショートショート:谷口さんの胃袋

「次の方どうぞ~」ドクターはそう言って次の患者を呼んだ。 「こんにちは~」と言って30代後半と思われる夫婦が入ってきた。ドクターは旦那さんの体調が悪いことを瞬時に察知した。彼の顔は青白く目からは生気が抜けていたからだ。 そんな旦那さんの横に...
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ショートショート:竹本と名乗る男

「お母さんもっとご飯食べたいよぉ・・」 「だめ、夜まで我慢しなさい」 秋元家には1000万という莫大な借金があった。この借金は夫である秋元貴浩が経営していたラーメン店を廃業させてしまったことにより出来てしまった。 「ごめんなぁ、お父さんのせ...
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短編小説:婚活

「溝口裕太です。会社員をしています」僕はあらかじめ決めておいた自己紹介をした。 「ヤマモトアスカです。アパレルで働いています」そう言って彼女は頭を少し下げた。 この日に合わせて美容院に行ったのだろう。肩辺りまである栗色の髪の毛が潤いに満ちて...
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短編小説:後悔を取り返す人生

僕は焦っていた。学生時代の友人が今年に入ってから続けざまに結婚したからだ。 20代の頃は結婚なんて自由を奪われるだけさ、と見下していた。インスタに投稿している家族写真なんかを見ると、あぁ、幸せそうに見えるけどストレスは溜まっていくだろうな。...
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短編小説:料理ロボットが招いた悲劇

「最新の料理ロボットを買ったんだ。今度食べに来てくれよ」貴明は嬉しそうに言った。 「またそんなの買ったの?」私はそれを聞いて不満そうに言った。それから塩タンを2枚網の上に乗せた。金曜日の焼肉店ということもあり、店内はとても賑やかだ。 「あぁ...
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短編小説:ルパン三世になりたくて

「結城くんってどういう本が好きなの?」ホットコーヒーを一口すすり、夏美が訊いてきた。それを見て僕も一口。 僕にとって難しい質問だった。本を読むと語彙力や読解力がつくというがそれはおそらく本当だ。しかし身に付くものはそれだけではない。身に付く...
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3分小説:キャンプならでは

僕と成美は大学最後の夏休みを有意義に使うためキャンプ場に来ていた。キャンプ場は家族連れや同世代と思われる人たちで賑わっており、子どもたちの明るい声が聞こえてくる。 2人にとってキャンプは初めてだった。テントを建てたこともないし、炊飯器以外で...
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短編小説:来世

「古代のエジプト人はどんなに辛くても真面目に生きたのよ。なんでか分かる?」七瀬はそう言って飲んでいた紅茶を置いた。 「犯罪を起こせば罰せられるからじゃないか」 「それもあるかもしれないわ。他は?」 僕は少し悩んでから訊いた。「宗教的な何かか...
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短編小説:福神漬けよりウィンナー

僕は昨夜作ったカレーを温めながら、その横の火口でウィンナーを2本焼いた。僕はカレーを食べるとき必ずウィンナーを焼く。ウィンナーと福神漬けどちらかを選べと言われたら僕はウィンナーを選ぶだろう。そのくらいウィンナーが好きだった。 現に僕の冷蔵庫...