Uncategorized 【短編小説】人生の落とし穴 滝本は社会に出るタイミングを見失っていた。20代半ばまでは料理人としてホテルやレストランで修行を積み、将来は地元に洋食レストランを開店することを夢見ていた。しかし多くの人間がどこかしらのタイミングで、人生の落とし穴というものにはまってしまう... 2024.02.23 Uncategorized
Uncategorized 【短編小説】女子とたこパ 萌里の部屋に入ると、女の子らしい柔らかい花の香りが鼻腔を刺激し、僕の胸を高鳴らせた。 萌里は大きめの真っ白なTシャツを着ていた。そのTシャツは萌里が履いているであろうショートパンツをすっぽり隠しており、そこから白くて健康そうな足がスラリと出... 2024.02.22 Uncategorized
Uncategorized 【短編小説】心のオン・オフ 「5+8は?」 「5+8は~」 まーた、頭の悪そうな俳優が私に絡んできた。嫌になる。なんて答えればいいのかな。即答したらいいのか、子役らしく悩むフリをしたらいいのか。私に与えられた解答時間をどうやって乗り越えたらいいんだろう。 とりあえず「... 2024.02.22 Uncategorized
Uncategorized ある日のピロートーク 左足に痛みを感じ、病院で診てもらうと大腿骨壊死と診断された。どうやら股関節を支えている太ももの骨がなんらかの原因で脆くなり、壊死しまったようだ。壊死とはなんとも嫌な言葉である。 関西弁の三上先生によると、手術をして人工関節というものに変えな... 2024.02.21 Uncategorized
Uncategorized 【短編小説】仕事終わりの楽しみ 「お先に失礼しま~す」 いつもより仕事(料理人)が早く終わると、決まって行くのがパチンコだ。どこにもよらず真っ直ぐ家に帰れば、疲労した身体を銭湯で休ませることもできるし、ギャンブルでお金を溶かすこともないというのに。 多くの新入社員がそうで... 2024.02.19 Uncategorized
Uncategorized 【短編小説】ファーストキス 僕はその時、青いベンチに座り君が来るのを待っていた。 遠くにヘルメットを被って自転車を漕いでいる中学生の姿が見えた。ということは、もうすぐ君も自転車に乗ってここに来るのだろうか。僕は高鳴る胸を抑えるため「ふぅ」と息を吐いた。 5分ほど待って... 2024.02.19 Uncategorized
Uncategorized 【短編小説】君におすすめされたグミ 夜7時。僕は仕事を終え、スーパーで「今夜は何を食べようか」と迷いながら店内を歩いていた。この時間帯は僕のような、恋人がいない独り身の人間が多いということを、高校時代のアルバイトを通じて知っていた。 どの客もくたびれた顔で、簡単に腹を満たせそ... 2024.02.19 Uncategorized